家鴨DIARY

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天(そら)は赤い河のほとり

天(そら)は赤い河のほとり (1) (少コミフラワーコミックス)

天(そら)は赤い河のほとり (1) (少コミフラワーコミックス)

古代タイムスリップ物として長期連載をされていた篠原千絵の漫画。
よく「王家の紋章」と比べられ、両者のファン同士の仲が悪いとか
悪くないとか(^^;


※「王家の紋章」のあらすじをWikipediaより抜粋いたしました(3/11)


1976年プリンセス10月号より連載開始、2005年9月現在、第29部進行中、単行本は50巻まで刊行。文庫本は9巻まで刊行。

第36回(平成2年度)小学館漫画賞受賞。

アメリカ人で考古学者の娘のキャロルという少女が、下エジプトの女王であり神殿の祭祀でもあるアイシスの呪術により、古代エジプトにタイムスリップする。金髪碧眼に白い肌、21世紀(連載開始当時は"20世紀"の設定だったが途中で21世紀に突入したので変更。近年増刷・発売されたコミックス及び文庫本ははじめから21世紀の設定になっている。)の人間としての知識が古代エジプトにおいて人々の耳目を集め、「ナイルの娘」後に「ナイルの姫」としてあがめられ、アイシスの婚約者であり弟であるメンフィスに見初められる恋と歴史ロマンの物語

篠原さんの絵柄が元々好きじゃなかったし、連載されていた「少コミ」
を読む年齢でもなかったので、今まで全く知らなかった。
何だか評判が良いと聞き、物凄く落込むことがあったので、気晴らしに
オークションで全部揃えてみた。


いや〜さくさく読めました。少女漫画の金字塔ですね。主人公のユーリ、
モッテモッテ(苦笑)主人公の夕梨は15歳の普通の少女で、ある日、
古代ヒッタイトの王妃ナキアの魔術により、古代に引き込まれてしまう
という、「王家の紋章」と似たような設定です。
ただし、あっちは「エジプト」が舞台でしたが、こちらは「ヒッタイト
が舞台。しかも、夕梨が何故選ばれたのか?という明確な理由もない。


7年も続いた連載で全28巻。あらすじ書くのも大変ですんで、
Wikipediaをご覧くださいませ(^^;


色々と矛盾点とか「はあ?」という点も多々あるんだけど、ずいずい
読ませるのは流石ですよね。ただ、28巻の外伝はいまいちだった。


<ネタバレ注意>




夕梨の孫にあたるユーリ・ナプテラは皇女の癖に、国交安定のためのエジプト王
との婚姻を捨てて、エジプト王子(27番目くらいだっけ?)と駆け落ちしちゃうん
ですよねえ・・・
この漫画、大きなテーマとして、「国を治める男の配偶者の資質」とうもの
が何度も出ていて、夕梨はその資質のあった数少ない人物という描き方をされ
ているのに、この孫は何じゃ?少女漫画としては良いのかもしれないけど、この
漫画に一本通っていた筋はどこに行っちゃったの?


で、従妹のエイミ・ハクピッサが代わりに「私が嫁ぎます!」と申し出て
丸く収まるっていうオチ。あの・・もし彼女がいなかったら全面戦争になった
訳で、色呆けしたユーリ・ナプテラには何の共感も持てませんでした。
どうやらファンの方にもかなり不評だったみたいですね(^^;


編集の意向だったのか、篠原さんのプロットがそうだったのかは計り知れませ
んが、読者が7年間ついてきた根本の部分を覆すのは、まずいんじゃ・・・
夢も希望もないよね。「やっぱり女の子の夢は好きな人と一緒になることよね」
という意向で編集が変えちゃったんなら、ちょっとそれは失敗かも。
「責任」や「犠牲」ということが、お話の各所に出てるんだから、責任を
貫きながらも「愛」もある、というのが良かったんじゃないのかしらん。
7年経って今の女の子たちの目の前にある物は確実に変ったんだろうから。


散々文句言いましたが、「王家」よりはサクセスストーリィとして面白い
部分もあります。割と史実に忠実だし。
レンタルブックにはよく置いてあるので、連休なんかにお読みなるとトリップ
出来てよいと思います。