家鴨DIARY

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風の谷のナウシカ

何だか急にナウシカを読み返したくなって、大人買い
7巻一気読みしました。

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」

ナウシカは、一般の方には「アニメ版」の方が印象が
深いかもしれませんね。
今回私が読んだのは原作のコミック版です。
アニメ版で感動なさった方は、これを読むと「うつ」
なるかもしれません(^^;
ナウシカは女神なる救世主ではないからです。
そして、アスベルは他の女の子とくっつきます(爆)
映画でくるくるしていた2人を見ている人にはショックかも
しれません(え?アスベルはどうでもいい?)。


また、クシャナの描かれ方が映画とは決定的に違います。
映画では悪役に徹していましたが、コミックでは
「心に傷を持った本当は優しい、王道を知る」人物として
描かれます。


5〜7巻は特に、諸星大二郎の影響が見て取れて、そっちが
気になってしまいました。
でも、やっぱり宮崎監督が描くと諸星さんのような
おどろおどろしい感がないんですよね。でも、ナウシカ
それでいい。でも、諸星版も怖いけど見てみたいかも(^^;


感想は「ナウシカはかわいそうだなあ」ということ。
そして「ナウシカ、あんたは酷いよ」という気持ちも。
普通の女として(人間としてでもいいや)の幸せを追求
することも出来ず、秘密(再生された世界では旧人類は
生きていけないという事実)を抱えたまま生きていかなければ
ならない彼女は、とても哀れでした。


最後の方でアスベルが、ビダ族のケチャと抱擁する場面を
見て微笑むナウシカが寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。
最初にアスベルとチコの実を食べあう二人の頃は、彼女は
まだ、一人の女性として生きる余地を残されていたように思う。
しかし、自分が知ってはいけない世界を知り、あまりにも重過ぎる
決断を下した彼女は、ケチャと同じように無邪気に抱きつくことも
できない。


ナウシカに対して「酷い」と思ったのは、
「あんたの判断で私らの全てが決められたが、それをあんたが
勝手に決めて、苦しんでんじゃない!」ということ。
そう、私達はナウシカにはなれない。
人格者という意味ではく、市井の名も無い人物としてしか生きられない。
私はもし、あの世界に生きたとしても、ナウシカに従うことはない。
共感もしない。あがめたてもしない。
私の生き方はクシャナに近いかもしれない。
ナウシカは母に愛されなかったと語ったが、クシャナは母には愛されていた。


ナウシカが「人間」を「人間」として愛せない理由はそこにある
のかもしれない。また、まとめてみたいと思う。