声優のこと

子供の頃、あこがれた職業は・・・声優さんでした。

今みたいなアイドル声優なんていない頃。
お金にならない仕事の1つとして、ドサ回りの
「歌のお姉さん」にさえ、「私は声優と違うのよ！」
と言われていた職業でした。

地方で生まれた私には、「東京」という街は遠く、
今のようにインターネットも無い時代、全ての情報は
自分の目と耳と足で探すしかありませんでした。

高校時代、ラジオ局に出入りしたりして、そこの
スタッフさんに聞きだした「声優になるための手がかり」。
東邦学園か大阪芸大に行けば良いらしい・・・。
私はその2校の願書を取寄せました。

結局のところ、大阪にも東京にも行かなかったけれど、
何故か、この歳になって東京にいる自分。

H市に住んでいたら、ナレーターとしての自己満足気分を
味わえたのだろうけど、ここでは、ただの一般人。

声優・・・・ねえ。
勝田塾とか行ったら「婆は諦めましょう！」って
言われんだろうなあ。

それとも地方で芝居とかやってても「経験」って
言って貰えるんだろうか？

若さも無い。
芸も無い。
個性も無い。
勇気も無い。

「声優やってみたいなあ」

と小さく呟いてみる。

恥ずかしいんですけどね。
身の程はよ〜く知ってますから。

う〜ん。ぼやきになったなあ。
でも、しわしわになるまで、やってみよう。