家鴨DIARY

クリィミーマミサークル「ANP」家鴨のブログです!情報発信とかしています!

アンナとロッテ

そういえば日記がぼちぼちになってましたんで
映画・書籍紹介等をいたしますね。
平日はサイト更新が難しいので画像リンク切れ等は
目をつぶって見ないフリをお願いいたします。


アマゾンでは、5月18日から発売開始で画像がまだ
出ておりません。


ビデオレンタルのお店で、何となく気になって裏面を
見たら、カールした髪にメイドキャップをつけたお嬢さんが
載っているじゃあーりませんか!


そういう不純な動機でみたのですが、これがなかなかの
名作でした。
お話はオフィシャルサイトの物をそのまま抜粋。
下記にさくっと引用しておりますので、興味のある方は
お読みください(ネタばれあり!)
ちょっと真面目に論じています。


両親が亡くなり、ドイツ・オランダに離れ離れで暮らす
双子の姉妹「アンナとロッテ」の物語です。
時代は1920年代から第二次大戦。
そして、二人が80歳になった頃が交差しながら進みます。


貧しい農家の親戚に引き取られたアンナの暮らしは、
ひどい物でした。養父は暴力をふるい、養母もそれを
見て見ぬフリをします。
さらに、ひどい事に彼女が学校に行かなくてもいいように
「知的障害児」だと申請をしていたのでした。


一方、裕福なオランダの親戚に引き取られたロッテは、
養父母に愛され、恵まれた生活をします。
この二人の行き方を比較してしまうと、どうしてもアンナの
方に感情移入してしまうのです。


19歳くらいの頃に二人はドイツで再会します。
アンナは伯爵夫人のメイドになっています。
ロッテはどうやら大学に通っているようです。
この頃、ナチのユダヤ人弾圧が始まっており、ロッテの恋人は
ユダヤ人でした。ロッテの恋人の写真を見てアンナは
ユダヤ人かと思った」
と漏らします。その一言でロッテはアンナに不信感を持つのです。


最初、ロッテはアンナに「オランダに来て」と言いまくっていたのに
アンナの「ユダヤ人かと思った」の一言を聞いただけで「来ない方が
いいと思う」という手紙を出します。
そのくせ、恋人がナチに捕まると「アンナごめんなさい。助けて」
なーんて手紙を平気で出すのです。


DVDではロッテを演じた「テクラ・ルーテン」をメインにインタビュー
していましたが、アンナ役の「ナディア・ウール」の好演が際立って
います。繊細で、人を思いやる心のあるアンナ。


ロッテがオランダで暮らすドイツ人であるという背景、恋人が
アウシュビッツで殺された不幸という背景があっても、
どうしてもロッテが不幸だと思えない。
そりゃ、ひどい目にあったとは思うけれど、なんていうのだろう?


自分が寂しい時や困った時だけ、姉を求め、彼女の辛い生活も
理解しない。当事者だったらロッテと同じようにアンナを憎むの
かもしれないけれど・・・どうにも共感できない。
テクラの演技のせいなのか、演出がそうなのかは分かりませんが(^^;


死んだ恋人の弟と結婚し、子供も儲け、晩年も豊かそうなロッテに
比べ、夫も戦死し、養父の虐待で子供を産めない身体になっていた
アンナの人生って何だったんだろうと思うのです。
唯一の肉親である妹に死ぬ直前まで、「ドイツで暮らすドイツ人」
であるという事だけで憎まれ、無かった存在にされていたんですから。


同じ敗戦国の日本としても、辛いなあ・・・と思う映画でした。
誤解の無いように書きますが、戦争で負けてしまったら、本当に
惨めな物だと思います。そこに至までに様々な経緯があったとしても
勝者の都合の良い様に書き換わります。


「いつまで謝ればいいのでしょうか」という疑問が心から
湧き上がりました。日本が悪くないとは言わない。心から謝罪は
いくらだってする。でも、悪い事をした国だからといって何をしても
いい訳じゃないのでは?と珍しく憤りを感じるのでした。


■「アンナとロッテ」オフィシャルサイト
http://www.anna-lotte.com/home.html

1926年、ドイツのケルン。幼い双子の姉妹、アンナとロッテは、両親の死によりそれぞれ別の家に引き取られる。アンナはドイツの貧しい農家で通学も認められず過酷な労働を強いられ、ロッテはオランダの裕福な家の養女として何不自由なく育てられる。離れていてもお互いを思い合う二人はそれぞれ手紙を書くのだが、それは養父母によって意図的に出されず、お互いが死んだものと思わされていた。

10年後。アンナは養父の暴力から逃れ、メイドの職を得て自立し、ロッテは大学で音楽と自分の母国語であるドイツ語を学ぶようになった。その頃、ヨーロッパはヒトラー率いるナチスの台頭で混迷し、徐々に暗い戦争の時代へと突入していった。

ある日、アンナに書いた手紙が出されぬまま隠されていたのを知ったロッテは、義理の両親に抗議し、自らドイツの伯爵家でメイドにをしていたアンナを訪ねる。束の間の再会だったが、お互いに生きていたこと、ずっと想い合っていたことを確認し合う。ロッテはオランダに一緒に戻ることを提案するが、アンナは奉公先への忠誠から、近い将来の再会を約束してドイツに残ることを選ぶ。

ロッテがオランダに戻る日、ロッテはアンナに自分の婚約者の写真を見せる。「ユダヤ人なの?」とのアンナの一言に顔を曇らせたロッテは、振り返る事なくドイツを後にする。後日アンナからのオランダ訪問を打診する手紙に対して、ロッテはやんわりと拒絶する。理由がわからないアンナはロッテへの不信感を募らせるのだった。

暗い世相の中、ロッテはユダヤ人の婚約者との愛を育み、アンナはナチスの親衛隊の将校と結婚し、それぞれ幸せに浸っていた。しかしロッテの婚約者はナチスにより収容所へ連れ去られ、アンナの夫はロシアへと派兵される。ロッテは戦争終結への思いとナチスへの反感を募らせながら、アンナはナチスプロパガンダに洗脳されるままに夫の栄誉を願いながら、二人はそれぞれの愛しい人の無事な帰りを待った。だが戦争の黒い影は二人に容赦なく覆い被り、彼女たちの愛する人はどちらも帰らぬ人となる。憔悴したアンナは唯一の頼りであるロッテを探し当て、彼女の家を訪ねる。しかし戦争で家族の絆を引き裂かれた傷心のロッテは、愛する人を殺したナチスの親衛隊の妻だったアンナを許すことができず、無情にも道端へとたたき出すのだった。「私の人生から消え去って!もう姉じゃない!」

時を経て、年老いた二人は保養所で再会する。自らの死期が迫ったことを知ったアンナが最後と思い、ロッテを訪ねたのだった。数十年の月日がたったにも関わらず、アンナを許せないロッテ。二人は森の中をさまよい、押し問答を繰り返す。やがて時代に翻弄され、苦境を生き抜いたアンナとロッテの間に奇跡のような和解の光が差しかけたかに見えたのだが……。