世紀末同人誌伝説
みなさんは、この漫画をご覧になったことございますでしょうか?
これは私が大学生の頃、出た本で当時としては珍しく「同人誌界」を
舞台にした漫画です。
今は廃刊になっているようですが、ebookでは読む事が出来るようです。
■電子書籍の本屋さん
http://payon.svc.ocn.ne.jp/ebookjapan/book.asp?sku=60004036
こちらのサイトの紹介文をそのまま引用させていただきます。
「世紀末同人誌伝説」(作:水谷潤 画:藤宮幸弘)
目に余る悪質なパロディ!! 年間収入数千万 しかも税金ゼロ!?
同人誌の儲けでマンション現金購入!? もはや、我々が許さん!! …
とある同人誌即売会で参加者に目を光らせる男… その名も小英社
著作権管理部の南条邦明! 南条と同じ“カレッカ”というサークルに
目をつけていた国税局査察部・国立。 彼等は実体のつかめないカレッカを
追って手を組んだのだ! 80年代後半、大きな市場となった同人誌業界を
舞台に描かれた同人誌伝説!
ここで出てくる「カレッカ」って、日記に出てきた尾●南さんのサークル名
だったような覚えが・・・(^^;)
80年代の同人誌業界を誇張して、面白可笑しく描いてある漫画だな〜と
当時は大笑いして、大学のサークルに持っていったら、先輩が激怒しました。
「バカにしてるわよ!」「ひどすぎる!」
と仰っていました。確かに大袈裟に面白可笑しく描いてありましたが、
「その通りだなあ〜」って部分もあって、結構楽しかったんですけどね。
あの頃「セイント聖矢」が流行ってて、先輩は今でいう「腐女子」だった
からかもしれません(^^;)人それぞれ受止め方が違うってことで・・・
この漫画で「オタクの女性」は本当にステレオタイプなんですよ。
「腰まで届く長髪」「痩せてめがねをかけて、顔色悪い」*1
「太っている」「スカートははかない」「紙袋を持つ」
今でこそ、お洒落なオタクも多いわけですが、当時はまだまだ、
こんな感じの方はごろごろいました。
<以下ネタばれ注意です>
面白かったのは、普通に結婚している女性が夫に内緒で同人活動をして
おり、夫が出社したら押入れから在庫を取り出して、コミケに参加するところ。
で、彼女は妊娠してて、会場で産気づく。
「医者はいないのか!?」
となると「私医者です」「看護婦です」とコスプレイヤーが挙手をすると・・・
これって、大袈裟でも何でもなくて、本当にお医者様や看護婦さんが
コミケに今だって来てる訳で・・・
脱税の話も本当に捜査が入った*2
という話も当時ありましたからね。
そういった諸々の諸悪みたいなものに、疑問を持つサークルさんも
沢山いましたし、よく話し合ったものです。
あの時代があって、著作権とか沢山の規制ができた訳です。
つまり、ファンが楽しんでやっているレベルから*3「マンションが建つ」
くらい設けるとなると、そりゃ「趣味の範囲」を越えてる訳じゃないですか。
国税局に目をつけられるほど「儲ける」というのも「同人誌」という
本来の意味からは既に外れているんですよね。
それは「商売」なんですよ、既に。
アマチュアだから・・・・と許された事が、あの時代を経て、もはや
「甘え」は許されないのですよね。
アマチュアとプロの境が曖昧になっていることが、良いのか悪いのか
それはもう少し、時代を経ないと出ない答えかもしれません。